エレキ倶楽部『さよらなら20世紀』 阪急電車の3番は変
2008/12/12
前回からの続き。
「阪急電車の3番は変」。この曲から私の編集作業はスタートした。5月15日に録音した中では、最も演奏、歌唱がカッチリしており、やり易そうだったからだ。録音も一番最初にやったかもしれない。
「阪急電車の3番は変」
ウメガー:Voice
ピロシキ:Keyboads
ケンターラ:Bass
ノボルザーク:Guitar
シカソ:Keyboads & Programming
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ヴァース部のシンセベースとエレキベースの絡みはピロシキ氏のアイデア。コンガのような音も氏がキーボードで出している。この部分のドラムはたぶん初代Korg Electribe R。とぼけた歌詞にぴったりフィットしたナイスアレンジ。2ndヴァースからは私のヴォコーダーの演奏が入る。Roland JP-8080。「Strange number 3」と言ってるのかな。
コーラスではドラムの音がかわるがこれは何を使ったか忘れた。エレキベースはお休み。ソロはノボルザーク氏。ボディに持ち手の穴が空いた、Ibanezのスティーヴ・ヴァイのモデル。シンセのリフは私で、これもJP-8080。とにかくこのアルバムではJP-8080を使いまくっているが、理由は単純。買ったばかりで嬉しかったから。
最初の駅の雑踏、アナウンスと最後の列車のドアが閉る音はもちろん阪急のもの。わざわざ帰りの通勤路を替えて、録音しに行った。梅田駅の京都線ホーム。
さて、歌詞。
阪急電車の3番は変
阪急電車の数字の3番は変
阪急電車の3番は変
阪急電車の数字の3番は変
車体の横に書いてる数字のことやで
阪急電車の1、2はええけど3は変やで
阪急電車の3番は変
さんきゅう電車の数字の3番は変
阪急電車の3番は変
阪急電車の数字の3番は変
車体の横に書いてる数字のことやで よう見なはれや
阪急電車の4、5、6、7はええんやけど0もええんやけど3は変やで
阪急電車の3番は変
阪急電車の数字の3番は変やで、ほんまに
阪急電車の3番だけ変やねん、ほんまにな
さんきゅう電車の3番は変!
太ったカツオブシムシみたいやねんで
「阪急電車の車体番号の [3] の書体だけ他と違って変である。太ったカツオブシムシみたいだ」という、グラフィックデザイナーにして昆虫博士であるウメガー氏ならではのVow的気づきを延々と繰り返すだけのシンプルな内容。
2回目のヴァースで阪急電車を「さんきゅう電車」言い間違えてるが、3回目のヴァースからはわざと「さんきゅう電車」と歌っていることが息づかいからはっきりと分かる。このように、ウメガー氏は事故を巧みに利用して次々に異化していくような試みを他の曲でも繰り返している。即興歌唱の達人ならではのダイナミズムだが、これは後に述べるように漫才由来のテクニックであろう。
ということで、次回は魚のプロテストソング「鯖」。