Lumix LX3のRawファイルを現像する方法のあれやこれや 2
2014/11/25
LX3に付属するSILKYPIXは、おまかせモードが優れていてお気軽に使える点がとても良いのですが、細かいパラメータをいじれなかったり、勝手に歪曲補正してくれたり、そもそも付属しているバージョンが結構古いなど不満な点もあります。
LX3をサポートする商用のRaw現像ソフトはLightRoomなどがありますが、購入を検討するのはまずはフリーのものを色々と試してからというのが順当でしょう。まだRawを常用するかどうか分からんし、いきなり買ったら妻に殺される。以下、とりあえず使ってみたもの。
RawTherapee
「RawTherapee」はライセンスがよく分からないけど、WindowsとLinuxのバイナリがフリーで公開されています。機能、性能とも商用製品と見紛うほど。最初Windows版で試していたのですが(2.4 RC)、レスポンスがいまいちだったので、同じマシンでLinux版を使ったところ、こちらのほうがキビキビと動きました。ちなみに私のマシンは、CPUがAthlon64 3200、RAM 1.5GB。Windows XPとUbuntul 8.10(AMD64bit版)を切り替えて使っています。
Linux版のインストールは、バイナリをダウンロードしてカチカチっとするだけ。簡単です。機能面では今のところの私にはオーバースペックすぎるくらいですが、ファイルブラウザがトロくさいのが難点。これはSILKYPIXも同様ですが。
UFRaw
お次は「UFRaw」です。ライセンスはGPL。各種Linuxディストロには標準的なパッケージとして入ってるのではないでしょうか。Ubuntu 8.10のバージョンではLX3はサポートされていませんでしたので、「getdeb」から最新版のパッケージを落してインストールしました。
RawTherapeeほど多機能ではないですが、Gimpとの連携が最大の美点でしょうか。Ubuntuだと、gimp-ufrawをインストールすると、Gimpから起動することができます。シャープネスやノイズ処理はあまりできることはありません。モノクロ処理が便利なのと、動作が軽いところも良いですね。
RAWstudio
「RAWstudio」も、たいていのディストロに入ってるのではないでしょうか。ディトロの正式パッケージがカメラに対応していなくとも、LauchPadなこちらのリポジトリから最新版を入手できます。
機能的には非常に簡素ですが、3種類の設定を切り替えて見比べられるのが便利です。しかし、Exifにちゃんと対応していないのがイタいです。
dcraw
さて、上の挙げたソフトは共通点があって、それはRawファイルのデコードエンジンとしてこの「dcraw」を使っていることです。他にもこいつを使っている製品は山ほどあり、Raw現像の世界において最も重要なソフトウェアだといえましょう。
Ubuntu 8.10の公式パッケージではLX3をサポートしていなかったので、ソースからコンパイルしました。ソースコードはCのファイルが1つだけ。こちらからダウンロードして、GCCでコンパイルします。
gcc -o dcraw -O4 dcraw.c -lm -ljpeg -llcms
実行ファイルが1つできるので、~/bin/とか適当な場所にmvすればインストール完了です。引数なしで実行すれば、ヘルプを出力してくれます。デフォルトではPPMファイル、オプション -T でTiffファイルを出力します。
直接使う機会はそれほど多くないでしょうが、いざという時には頼りになりそうです。
番外編
Linuxでは珍しく、商用のRaw現像ソフトがあります。それが「Bibble」です。Linux版とMac OS X版が販売されています。
さすが商用と思わせる多機能っぷりですが、残念ながら現行の4.10ではLX3はサポートしていません。上の写真はJpegファイルを開いたところ。メーカーによると、次のメジャーアップグレードで対応するかもということです。
サンプル版がrpmとdebのパッケージで提供されています。32bit版のみなので、私のUbuntu 64bitな環境では若干無理矢理なインストール。
sudo dpkg -i --force-architecture <
libstdc++5を要求されます。
とりあえずの結論
RawTherapeeが飛び抜けて素晴しい。当面これをメインのRaw現像ソフトとして使いたい。