アントン・コービン『Control』

      2008/12/11

友人のT君が藤沢に立ち寄ったので、近所の「きあじ」で飲んだ。話の内容はいつものループだったが、親切にも買ったばかりのこのJoy Division(以下JD)の伝記映画『Control』を持ってきて貸してくれた。ありがたく拝見。

イアン・カーティスの元妻の本が原作。ストーリーは悶々とした生活を送るマンチェスターの青年がバンドを組んで結婚して売れて自殺するまで。監督はアー写で高名なアントン・コービン。これが映画デビュー作。残念ながら、映画としてはダメダメ。写真家らしいといえばらしいが、まるきり紙芝居。JDおよびNew Orderファン以外には全くお勧めできない。

逆にJDおよびNew Orderファンはそっくりさん達の演奏シーンだけでも観る価値はある。というか、そこだけだけれども。

T君とは「JDで一番好きな曲は何か」という中学生チックな話となり、彼は「Love will tear us apart」、私は「Transmission」。

「Love will tear us apart」

世間的には「必殺の名曲」とされているが、ロック史上1、2を争うほどダサい曲でもあると思う。この聴いていることが恥しくなくなるくらいの超越的ダサさから生れる虚無が、後にNew Orderのウリとなり「Perfect Kiss」のヒットにより結実する。

「Transmission」

ルー・リード「Rock'n Roll」のポストパンク版。歌詞もかなりパクリ気味。「Control」ではこのBBCでの演奏シーンを再現していた。

そんな訳でここ最近、Joy DivisionやNew Orderを聴き直しているのですが、両者を通じての個人的ベストトラックは「Celemony」ですな。

「Celemony」

JD時代の曲ですが、イアンの自殺によりスタジオ録音はされず。残りのメンバーでNew Orderを結成した後、初シングルとなった曲。「下手クソかつカッコイイ」の極北と言えましょう。YouTubeにたくさん上ってますが、この'84年の演奏が良いデス。上半身裸のバーニーと、ガーリーなワンピースのギリアンの、完全にあさってなギターバトルが凄まじく熱い。

Joy Division、New Order熱が盛り上り過ぎたので、近日この曲のカバーを録音してみることにします。

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