エレキ倶楽部『さよらなら20世紀』 レコーディングセッション

      2008/12/12

前回からの続き。

エレキ倶楽部 『さよらなら20世紀』のレコーディングセッションは、1999年5月15日夕刻より翌日朝方にかけて行なわれた。レコーディング場所は大阪府泉大津市の当時の私の自宅。披露宴を間近に控え、入居したばかりの新築マンションの一室。まだ妻は入居していなかった。ピロシキ氏以外のメンバーと私は初対面。

集った時点で譜面も歌詞も何もなし。一晩ですべてを作り上げるという無謀な計画である。主な流れは、ピロシキ氏が適当なリフを作り、ケンターラ氏、ノボルザーク氏がそれを追う。その間、ウメガー氏はネタをくってるのであろう、ウロウロしながらブツブツ言う。最後に全員で数度合わせ曲が何となく完成。私はそれを聞きながら、クリックテンポやフェーダーの調整。レコーディング。といったもの。

レコーダーはRoland VS880。同時録音トラック数は4。ボーカル、ベースに1トラックづつ。キーボード、ギターは各々から出ているエフェクトを含めて録音したかったので、ステレオで同じトラックに録音。ミックスの際非常に困る事態になるが、しょうがない。

結局、バンドでの演奏計7曲。その他ボーカルのみの素材を数曲分、一晩で作詞作曲録音した。これはピロシキ氏のコンダクトの的確さとメンバーの演奏能力の高さの結果であるが、驚嘆すべきは全曲の歌詞をほぼ即興で作りあげたウメガー氏のパフォーマンスであろう。とても人間技とは思えない。

バンドの演奏は一晩で終えたが、その後私のパートの録音、編集、ミックスに約1年もかかってしまった。VS880で録った音は、当時PowerMac 7300で動かしていたCubase VSTに移し、作業を行なった。ロクなプラグインも使っていなかったのにすぐにCPUがオーバーロードしてクリップノイズまみれで編集せねばならず、大変苦労した。使った音源は、Roland JP-8080、E-mu Sound Engine、Halionなど。

続く。

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