ツール・ド・フランス2007 第15ステージ
2019/09/18
ピレネー2日目。2級、2級、1級、そして超級と1級を越えてルーダンヴィエル・ルルーロンにゴールする196km。昨日の激しい勝負の後、ラボバンク、ディスカヴァリーのアシスト陣がどこまで踏んばれるか。アスタナは誰が行くのか。
メンテ峠に入った所では、先頭は25人。ヴィノクロフやメンショフが含まれる。集団はその8分ほど後ろ。前を引くのはラボバンク6人。
バレ峠の前で先頭集団は2つに分裂。重要人物は後ろへ。その後、ここからメンショフが抜け、前につく。ラボバンクの2段アシスト体制。ヴィノもイワノフに引かれて前へ。頂上前でキルシェンが抜ける。Tモバの意地。
残り20kmでヴィノがアタック!先頭に追いつく。本気でステージを取りにきていた。これで先頭集団は、キルシェン、アローヨ、ヴィノ、コーボ。集団には7分ちょっと差。
3度目くらいのアタックでついにヴィノが抜け出す!そのままウジャウジャの観客を掻き分け、ペイルスルド峠を越える。あとは下るだけ。ここでヴィノの勝利は確定的。
そして、集団からコンタドールがアタック!ついてこれるのはラスムッセンだけ。溢れかえる観客を利用しての、コンタドールの再びのアタック。何処でそんなイヤらしい技を覚えたのか。スゴイぞコンタドール。その後何度もコンタドールが仕掛ける。ラスムッセンは鬼の形相で、これを封じ続ける。シビれるバトル。
ラスムッセンを引き離せなかったコンタドールだが、頂上でヒンカピーと合流。ナイス、ヒンカピー。ラスムッセンは下りは下手だが(去年よりうまくなった気はするが)、コンタドールは何とそれよりも下手。ヒンカピーがいてよかった。
ということで、第15ステージはこの結果。
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)
2位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル)+51"
3位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル)
4位 フアンホセ・コーボ(スペイン、サウニエルドゥバル)+58"
5位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、クイックステップ)+2'14"
6位 ダビ・アローヨ(スペイン、ケスデパーニュ)+3'23"
7位 ベルンハート・コール(オーストリー、ゲロルシュタイナー)+4'25"
8位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、CSC)
9位 リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)+5'16"
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)+5'31"
11位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク)
実質的に総合から脱落したとはいえ、魂のアタックを見せつけてくれたヴィノクロフ。全く予想外であった。感動した。感動したけど、それでいいのかアスタナ。総合は捨てたということかな。クレーデンがかわいそう。まあ、もともとがヴィノの為のチームだけど。
総合は、
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク)69h52'14"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)+2'23"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、プレディクトールロット)+4'00"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル)+5'25"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+5'34"
6位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC)+6'46"
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル)+7'27"
8位 アンドレイ・カシェチキン(カザフスタン、アスタナ)+7'54"
9位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル)+8'24"
10位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)+9'21"
エヴァンスはコンタドールに少し遅れたが、状況を考えると上出来でしょう。動かずついていって、TTでのハプニングに賭けるしかない。
ラボバンクはもっとグダグダになるかと思いきや、メンショフとボーヘルトが予想以上に良かった。最後はやはりラスムが丸裸になったが。ディスカバは、そつのない展開。ポポヴィッチが少しお疲れの様子だが、明日の休養で回復するでしょう。明後日どんな仕掛けをしてくるか楽しみ。