大日本人だよ
2007/09/10
関西人の義務感から、松本人志監督「大日本人」を観てきました。フジサワ中央の18時40分の回(1,700円が1,000円に割引き)だったのですが、客入りは2割程度。ビックリするくらいのガラガラっぷり。
客の反応から書くと、笑いはかなり少なかったです。僕の前の席にいたカップルの男の方は、逐一笑ってましたが、それ以外の客はほとんど無反応。板尾と藤原とのカラミ、ラストの宮迫と宮川大輔のカラミ といったかなり分かり易いシーンでのみ笑いがおきていました。私の隣に座った妻(大阪人)はただの一度もクスりともしませんでした。
とはいえ、 監督が意図した笑いはそんなに難しいものではなく、「頭頭」他、松ちゃんの他の作品と比べれば分かり易いネタがほとんどだったと思います。これでこの反応ということは、もしかしたら単純にスベりまくってるのかもしれません。あるいは、前半のインタビューシーンが長回しすぎて、笑いの反射神経が殺されてしまってるのかも。いずれにせよ、松ちゃんが映画を撮る目的は北野武とは違って「笑い」であるはずで、その意味ではもしかしたら失敗作なのかもしれません。
私はというとあまり声をあげて笑いはしませんでしたが、かなり楽しめました。松本人志の集大成って感じで、昔からのファンとして感慨深いものも感じました。カンヌに出品され、そこそこの評価を受けるのもの当然でしょう。斬新なアイデアを幾つも盛り込みながら、初監督とは思えぬほどの完成度を持つ稀有な作品です。
CGになった松ちゃんの演技(顔のみ)が下手クソすぎる、テイ・トウワの音楽が最悪など、ちょっと大きな瑕も散見されるのですが、鬼気迫るほどの一貫したリアリズムの追求とそれを叩き壊しながら新たなリアリズムを構築する見事なオチのつけ方は、見事と言う他ありません。
あと、映画には関係ないけど、長髪の松ちゃんは中島らもにそっくり。ちょっと泣きそうになるくらいに。