Prefab Sprout / Steve McQueen [Legacy Edition]

      2007/10/08

スティーヴ・マックイーン春に出たのだが、今頃になってやっと聴けた。プリファブスプラウトの'85年の出世作 『スティーヴ・マックイーン』のリマスター盤。ヤングは知らんだろうが、エイティーズ世代の青春の1枚なのです。泣ける曲満載。ここ日本では何故か「ネオアコの名盤」に分類されてたりするんですが、俺には理由がさっぱり分かりません。ネオアコってのは田舎出身のバンドが演奏する泣ける曲ってことでしょうか。

マスタリングはこのアルバムのプロデューサーであるところのトーマス・ドルビー。スタジオは、LAのマスタリング・ラボ。まだ真剣にチェックしてないが、一聴して素晴しい音でっす!'80年代の録音とは思えない、丸くて暖かみのある仕上り。分離も良くなり、今まで聴こえなかった音が聴こえる聴こえる。

このアルバムはプリファブスプラウトのベストな作品ってわけではないですが、トーマス・ドルビーと運命的な出会いをしたという意味において、彼らのキャリアの中では最も重要な作品です。トーマス・ドルビーとプリファブスプラウトほど相性の良いコンビを私は知りません。このコンビは'90年の"Jordan:The comeback"で頂点を極めた後、一緒に仕事をすることはなかったのですが、20年近く経って今回またあのマジックを拝むことができたわけです。ありがたきしあわせです。

そして、おまけの1枚。パディ・マクアルーン1人による、このアルバムのセルフカヴァーですが、これが予想外に素晴しい。アコースティックギター+αのシンプルなアレンジ、と言えば、やっつけで1日2日で録ったものを想像しますが、これがまた練りに練った斬新かつ繊細なアレンジ。正直、よっぽどヒマだったんだろうな、と思いましたが、まだまだイケるで現役やでというパディの気概が感じられるナイスな仕事っぷりです。

ということで、当時のビデオを拾ってみました。

Prefab Sprout - When Love Breaks Down

彼らの代表曲。「Top of The Pops」なので当然ながらモロ口パク。お人形さんのような紅一点のウェンディ・スミス嬢の過剰な素人臭さに、当時の青少年たちは萌えに萌えたのです。トーマス・ドルビーは彼女の声の使い方が超絶にうまかった。ポン出し感覚でここぞというところで使ったり、パッド系のシンセと混ぜて薄く使ったり、あらゆる技を駆使して華のあるアレンジを施した。

Prefab Sprout - Appetite

アルバムの中でも1、2を争うカッコいい曲なのだが、何だこのウェンディのメイクは。'80年代のビデオは、やはり何を観てもキツい。ちなみにパディが弾いてるピンクペイズリーのテレキャスターは、俺も持ってる。

Prefab Sprout - Bonny (Live in Munich 1985)

当時のライヴ。何かものすごく貧乏くさいです。ウェンディのリズム感ゼロのダンスが、それに拍車をかける。演奏もちょっと・・・。特にキーボードの人には何か固いものを投げつけたくなるほど。

そんなわけで、やはりウェンディ・スミスは偉大だということを改めて確認できた。彼女の脱退以降泣かず飛ばずになってしまったのは、さもありなん。

ちなみに、この15年後のパディはこんな風になってます。

Prefab Sprout - When Love Breaks Down (Live At Fleadh 2000)

いくら何でもピザりすぎ。

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